ICは鬼軍曹。

IC(インテリア・コーディネーター)というのは、鬼軍曹です。

アメリカやイギリスでは、住宅をつくる場合、ICが先頭にたち、建築家やその他の職人を指揮していくのですが、優秀なICは鬼軍曹です。

たとえば。私がダイニングチェアの布を選ぶ時に、BAKER の方に、ファブリックを持ってきていただいたんです。その時、私とインテリアコーディネーターの飯沼さんの間では「赤っぽい布」が検討に入っていました。しかし、BAKERの方が持ってきたのは、私が選んでいたブランドのイメージである、ベージュなどの薄い色目がほとんどでした。

飯沼さんは優しい言い方をしましたが、結局のところ「赤系のファブリックサンプルを、五反田まで取りに行ってほしい」ということをおっしゃって、事実BAKERの方は、バイクでそれを取りに行ってくださいました。うっそ。

私は、あんまり人から言われませんが、心根が優しく、遠慮してしまうタイプなので、なかなか気を使ってそんなことは言えません。この場合だと「後日送ってください」とでも、言ってしまう。でも、今日赤系のファブリックが必要だと判断したら、飯沼さんは「持ってきてください」と言ってしまうのです。

飯沼さんの鬼軍曹ぶりは、ギャラリーに私の家具を入れた時も発動され、私はぼーっと見ているだけでしたが、テキパキテキパキ、家具がギャラリーの真ん中で、「インテリアに合うアートをご提案」の趣旨を形で見せました。

もう一人。

最近お付き合いが始まった優秀ICさんは、エレベーターにシェードが入らないということで、タワーマンションの32階まで、カーテン屋さんに階段で上がってもらうことになさったそうですよ。。。

私だったら、カーテン屋さんがかわいそうになってそこまで言えませんが、でも、それがお客様のために大事だと思ったら、言ってくれるのがICなんですね。私の大好きなドラマ「Sex and the City」でも、弁護士のミランダが(こちらとしては下心満々の)男性がNYの自分の部屋に泊まりにくるとなったときに、ICにリビングを依頼するのですが、そのICが超テキパキテキパキ指示を出している場面がありました。施主であるミランダはぼーっと見ているだけ。

施主というのは、自分がお金を出すのにも関わらず、意外と職人さんに遠慮をしてしまいがちです。自分の理論に自信がないからなんですね。だけれど、実力のあるICだったら、それが言えてしまう。住宅を作る際一番えらいのがIC。施主のライフスタイルや好み、それらすべてをわかっているのがIC。あるときは施主が「いいな」といった家具も、テイストが合わないと判断したら「それはダメです」と言い切ります(というと、飯沼さんが苦笑いするのですが)。

新聞社内では、よく軍隊用語が使われます。そのひとつが「鬼軍曹」。おもに優秀で厳しいデスクやキャップクラスの人材に言われます。「鬼軍曹」は、しかし、絶対できない無茶は言わないもの。あとちょっとの詰めが必要なときに、鬼ぶりが発揮されるのです。

優しい顔した「鬼軍曹」。優秀なICの真の姿です。


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