美には「型」がある

 美しいものには、規則があります。

 私が世界で一番美しいと思う芸術がクラシック・バレエです。

 ダンサーは自由に踊っているように見えて、すべて8つの決まった方向に向いています。両足を地面につけて立つ時のポジションは6つだけ。足を上げる高さも3つ。手の方向も全て決まっていて、すべてに名前がついています。踊りはすべて「型」から「型」への移行です。手の型と脚の型と胴体の型が決まっていて、あとはそれを組み合わせているのです。

 この写真はおそらく「ドン・キホーテ」。主役のキトリを演じるダンサーの目がける角度は、客席に向かって右斜め45度。この角度を外すことはありません。もっとも人が美しく見える角度です。

 逆に、型を外して「美」を作るのは難しい。

 新しい「美の型」を探るのが「前衛」だというのが、私の理解です。

 

美しいインテリアの「型」は「左右対称」

 

インテリアにも型があります。

たとえば、窓。マンションだと、リビングの日当たりの良い方面に2つ、掃き出し窓があるのが一般的です。その場合、右と左の窓は、両方が同じサイズが望ましい。

ソファの両サイドには、同じ高さのランプがあるのが望ましい。

ベッドルームもそうです。壁にヘッドボードを付けて左右には同じランプと同じナイトテーブルがあるのが基本です。

 これらの家具の置き位置は、何より機能的です。

 ソファの左右にテーブルがあると、単純に便利です。

 ベッドの側面を壁に付けると、寝ている間に掛け布団ずり落ちます。シーツも替えにくいし、ベッドメイクも大変になる。両サイドがあいているのは、使い勝手が考え抜かれたレイアウトです。

 「うちは広くないから・・・」という声が聞こえてくるようですが、収納の取り方・扉の選択などによって可能なことも多いです。メインベッドルームが8畳あれば、ダブルベッドが配置できます。

 「ベッドは部屋の中心に置くモノで、ソファのサイドにはランプがあるもの」という風に家を見れば、家具の置き方が分かります。家具を全部「隅に置く」という発想から脱却して、家具を暮らしの中で過不足なく活用するようにすれば、家のなかのゴチャゴチャ感は意外とぬぐわれます。収納に困って家具を買い足すのではなく、美しいと思う配置・サイズ・種類をあらかじめ吟味しておき、お気に入りが見つかったら家具をキチッと置く。中が空っぽでも、そのうち埋まるものです。別に全部最初から埋める必要はなく、空っぽのまま置いておいてもいいではないですか。

 絵になる家具は一生ものです。

 


インテリアショップランキング