洋風か、洋書風か

日本のテイストは、海外でも広く受け入れられていて、ちゃんとしたミニマルな日本の空間は、海外でも受け入れられています。

また、日本の建築家が入って建てたRC住宅などは、アイアンの螺旋階段があったり、ディテールはとても洋風になっていたりします。

しかし、ものすごい予算を使ってできあがったそれらの住宅の写真、しかし、99%の割合で、私はそれが海外か日本か、判別できます。

それは、天井の高さでもなく、窓の風合いでもありません。モールディングの有無でもありません。私はモールディングが大好物ですが、欧米のモダンな住宅では、あえてモールディングを使わない、ミニマルな空間が好まれる場合もあるようです。だから、そこが違いではない。でも、違いがわかる。

壁もペンキでベタベタ塗るので、壁に色があるかないか、でもない。決定的な差は2点あります。

洋風はランプがなく、洋書風はランプがある

日本の家は、基本的に天井照明で全部を賄います。

洋風建築とかインテリアに憧れて、出来上がったのであろう住宅の写真。輸入家具と輸入建材でできた住宅であるはずなのに、なんとはなしに漂う中途半端感は、ランプがないからです。逆にランプがあると、一気に「わかっている人がつくった上質なインテリア」感が出ます。点灯していなくてもよいのです。ただ、サイドテーブルにランプが置いてある。それだけで「おや?」と、こなれた洋風インテリアになります。

一番上の写真は、海外から取ってきたもの。下2つがAdobeストックです。

わかるでしょうか?下2つはそこはかとなく和風です。

このランプは、小さいのはNGです。小さいと、置いてもインパクトがない。

日本人は、小さいものを愛でるし、家も小さいから飾るものが全部小さいのですが、インテリア小物は「高さが重要」。小さいもので高さを出そうとすると、それを立体的に飾る棚が必要になりますが、最初から大きいものであれば、置くだけでOKです。

リビングが13畳あるとしたら、60センチぐらいの高さのものがあると良いです。サイドテーブルが60センチの高さであれば、120cmになりますね。もしこのテーブルがもう少し低い場合は、80センチぐらい。

もうとにかく、ランプは絶対必要なんです。それもできれば本体(笠ではなく)がそこそこボリューミーなもの。ランプがあるだけで、映えるんです。インスタだって、竣工写真だって。

 

洋風はアートがなく、洋書風にはアートがある

ここも大きなポイントです。

結局のところ、壁が大事なんですね。壁をどう飾っているか、が重要で、壁ぎわにランプがあれば、無地の壁が装飾していることになるので、少し中途半端な和風感が減ります。

この写真が、ややかっこよく見えるのは、そこにアートがあるからです。このアートの右端あたりにランプがあれば、「おや、これはNYですか?」ということになります。

 

アートって、よく考えれば、めちゃくちゃ安い

バスキアが何億、とか、ゴッホが100億円、とかいう話をよく聞きますよね。

だから、高額で取引されていないと、絵に意味がない、と思っている方が多いと思います。「高くて買えないわ」と。

一方で「価格は関係なく、好きな絵を飾れば良い」とも言います。それも正しい。でも。有田焼や、輪島塗にはお金を払うのに、アートにはお金を使わない、というのはなんでなのかなと、思うのです。それらはプロダクトであり、アートではないから、買いやすいのでしょうね。ただの「習慣」のような気がします。

ところで、日本で、絵描きさんとして食べていくのは大変です。

絵の才能がある人というのは人口の数パーセント、いるでしょう。

でも、その絵心のある人たちの多くは、大学にいくとしたら普通の大学に行き、美大にでも行く決意した人でもほとんどが「ナントカデザイナー」になるんです。「ウェブデザイナー」とか「プロダクトデザイナー」とか、「グラフィックデザイナー」とか。そうやって、絵とは直接つながらないところで稼ぐ。

絵を描ける人は、そうやって特別な才能で食い扶持を稼げるけれども、画家として絵を発表している人は、どうしてもどうしても「絵」を描きたいから描いている人です。

キャンバスに絵の具をぶちまけたような作品を得意とするアーティストがいます。素人目には「そんなの誰でもできそうじゃん?」と思います。しかし、そんな作家が、たまたま精密画を描いたのを見ると、んもう、びっくりするほど「リアルで上手」です。こんな絵を描ける人、肉眼でみたことない、ぐらいに上手。

そんな才能のある人たちが、大きい作品だと1ヶ月〜2ヶ月かけて、モダンアートを描くのです。お笑い芸人でもあったジミー大西さんは、絵を売らないので有名ですが、それは「割に合わない」からなのだそうです。ものすごい神経と時間と才能をかけて描いたものが、「時給数十円」みたいな感じで売れていくのは、耐えられないのだそうです。

私の伯父は、一人はグラフィックデザイナー、一人は趣味で絵を描いているのですが、デザイナーの伯父は、自分で油彩や水彩の作品を描こうとしません。趣味の絵描きの伯父は、よく公募展などで入選しているのですが、兄弟にすら絶対に絵を譲ってくれません。ただのケチとも言えますが、「ものすごく手間がかかってるから、もったいなくてあげられない」というのです。また、年齢を重ねて、80代になった今は、もう根気が続かず、絵筆をとることもないそうです。

つまり、絵を売ってくれる画家、というのは、「絵の才能のある人」たちの中で、それぐらいのフィルターで濾しとられた「奇特な人」とも言えるのです。あなたの好きな絵を描く画家が、必ずしも作品を売ってくれる人だとは限らないのです。

そう考えると、たまたま目に入った絵が、自分の払える範囲の金額で買えるのであれば。それはまたとない「僥倖」といえるのではないでしょうか。

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