ハリウッドを通さないアメリカ

アメリカのノースカロライナ州に来ています。アメリカ最大の家具の見本市「ハイポイント・マーケット」を訪問中なのです。

来る前から分かってはいましたが、ものすごく横に広がった見本市でして、その間の道路も6車線はあり、ものすごい歩かないといけないのと、ものすごい数の家具・ラグ・アートのお店(1200店出ているそうです)で、初日は圧倒されました。日本の「水はタダ」のように「土地はタダ」だと思っていそうな感じです笑。しかし、かつてに比べると、賑わいは減ったとのこと。ドライバーさんによると、「まあ、見に来なくても買えるようになったってことじゃない?」とのことでしたが。

     ↓この視界に入る店舗は全部家具屋さん。飲食店すら全く見つかりません。

ところで、今回は家具のお話というより、なんとなくノースカロライナの雰囲気をお伝えしたくなってPCを立ち上げました。

ノースカロライナは、「北」とつきますが、南部の州になります。「南部」といっても、地理的に南部なのか、それとも南北戦争で南についた州か、というところで、若干意味合いが変わってきますが、ノースカロライナは南北戦争に最終的に南についた州。しかし、イギリスから独立した東部13州には入っているので、アメリカの中では歴史ある方の州になるかと思います。

これまで、アメリカといえばハワイやNYやロサンゼルス、北米ならばカナダのトロントを歩いた経験があり、あらゆる人種が集まっていることは理解していましたが、街を歩いてみて初めて、今回が初の「奴隷州」訪問だったことに気がつきました。

ハワイでは英語もつたないし、若いし(22歳でした)、日本人だし、レストランでも一番よくない席に通されて「あー、これが差別か」と感じました。NYでは、おしなべてアフリカ系の人につっけんどんにされるので「アフリカ系の人は、黄色人種を、ちっこいくせに偉そうに、とか思っているのだろうなあ」と感じました。

しかし、自分に突きつけられる差別感がちょこちょこあったにせよ、あらゆる職種にアフリカ系もアジア系もヨーロッパ系もいて、「案外、世の中平等だね」と思っていたのですが、ここノースカロライナでは違いました。

見本市は、半年に一度のお祭りです。バイヤーや、バイヤーのゲスト(お客さん)は、だいたい白人です。働いている人も白人。ちょっと訛りがあるのか?LAやNYよりは聞き取りにくい気がしたこともありますが、とにかくほぼ白人なんです。ちなみに、まだ一人も日本人には会っていません。アジア系もいますが、中国人で、インダストリー=技術提供側として、メーカーに営業に来ている中国人です。

インテリアコーディネーターは、生まれも育ちも一定程度恵まれてきている人たち=白人であり、おしゃれにも気を使った小綺麗な人が多い。あんまり太った人もいません。売る側の人たちも、そんな感じです。

そんな中、路傍には案内人がいます。だいたい何を聞いても「知らない」と言われるのですが、そういう案内人と、紙コップや水のボトルなどのゴミの回収といった下働きの人がほぼ全員、アフリカ系。それはもう、クッキリハッキリ、アフリカ系なのです。臨時雇いなのだろうと思います。

同じ業種の従業員が10人いたとして、うち何人かは白人やアジア系で同じ職種に従事してたっておかしくないと思うのですが、全員がアフリカ系です。私が泊まっているホテルのフロント係も、全員アフリカ系。「ここでは、白人は働いてないんじゃないか」と思うぐらい、アフリカ系ばかりなんです。

みなさん、機嫌よく働いている風です、優しいし、親切です。でも、なんだか無力感に苛まれる気がしました。もし私がこの地にアフリカ系として生まれたら、「どうせ勉強なんかしたって」と、思ってしまうと思います。猛烈に勉強した上で、この地を出ることでしか、突破できないと思うと思います。

ノースカロライナは、半分はネイティブアメリカン保護区、さらに、アフリカ奴隷を入れる前に、半分奴隷みたいなイギリス人(イギリスからの片道切符代を働いて返す年季奉公人、借金を返せば自由)もいましたので、教科書で読む「アメリカ」が、幕の内弁当みたいに詰まっている州です。出身者には、ジャズのジョン・コルトレーン、福音派の伝道師ビリー・グラハム、合衆国下院での議席数は共和党が10、民主党が3。「話に聞くアメリカ」に、像が一致します。

私は、アメリカを二重に考えています。

ひとつは、ハリウッドが作り出す「外面(そとづら)のアメリカ」。もう一つがトランプを産んだ「現実のアメリカ」。思いがけず「現実のアメリカ」に出会い、ちょっと興奮気味です。

 


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