アデラインの家具はもちろん、見た目が端正で美しいから輸入に踏み切ったわけなのですが、
「本質は細部に宿る」を体現したような家具なのです。
「本質は細部に宿る」
私がこの言葉に初めて出会ったのは、今から18年前、私が記者2年生だったころです。長野県知事選に出馬・初当選の田中康夫氏をちょこちょこ取材する機会がありました。田中氏は作家らしく言葉を操って自身の思いを伝えようとしていました。
「しなやかに」「脱ダム宣言」「クリエイティブ・コンフリクト」「車座集会」・・・etc.
その中の一つが「本質はディテールに宿る」でした。
県政のどんな細かいことも、そこに本質が宿る。細かいことをおろそかにするということは、県政が自覚的に大切にしていることも、おろそかにしているということである、ということを繰り返し指摘していたのでした。
彼の「批評精神」というのは、同じ「批評家」であるところの記者たちをピリつかせるところがあり、あんまり「クリエイティブ」ではない「コンフリクト(闘争)」を起こしていたやに記憶していますが、私はその後も何度もこの言葉を思い返し、「確かにそうだ」と確認していました。
ここでやっと家具の話に戻ります。
アデラインの家具も、美しいのです、細部が。

たとえば、このソファは、表ももちろん美しいですが、背当てクッションをひっくり返すとこの通り。

裏を見ても、表と同じです。表裏がないのです。
片方は見えない部分ですから、裏の一部に高価な表地を使う必要はありません。安価なものや、高価でも誠実でないソファは、ココの部分を別のものにして用尺を減らすという手を使っています。これは、座面も同じで、やはり表裏両方使えるのです。さらに、背当ての後ろの部分も下まで全部表地を使っています。良心的なソファでないと、ここは上から20㎝ぐらいは表地ですが、そこから下はお安い別布になっています。
日本のソファで多い「残念」が、「裏」も表地を使っているのに、下辺にあたるところにタグが付いていたり、クッションを入れるジッパーが分かりやすくついていたりして、裏も表地なのにひっくり返せないというものです。表裏、ちゃんと両方使えたら、もちろんキレイが2倍長持ち!ということです。
アームチェアでもこのタイプならば座面が裏表使えます。
アデラインの家具はアメリカから来たものですが、アメリカはGDPが日本の4倍!! 人口で比較しても、やはり高いことには変わりはなく、アメリカは、コンビニのサンドイッチですら「ちょっと高いけどハムがものすごくたくさん入ってますねー」と驚きます。一事が万事、けちけちしていないのです。おそらく、けちけちするのが面倒なのでしょう。。。
なので、ソファの用尺など、チマチマしないのです。
だから、アデラインも、けちけち・チマチマしません。
フジギャラリー新宿に置いてあるソファ類も、どんどん座って、リラックスしてお買い物や無駄話をしていただきたいと思っています。事実、本当に、おかけいただいてお話すると、必ず長話になる、という魔法のソファセットなのです。
サンプル家具ではありますが、ギャラリーでは商談などにも使っています。
家具ショールームの多くは、商品である家具は「お試し」でしか座ってもらわず、契約のときは安いプラスチックの椅子とテーブルのところでやってくださいね、というところが多いですよね。そんなけちけちしたこと、アデラインは言いません。
だって、夢を買っていただくのだから。買うところから、送り届けられるところまで!!
お客様の夢を、けして醒めさせないように。