戦後・家具の歴史

日本の家具、最近は随分選択肢が増えてきたな、と思っています。

日欧の文化が入り混じり、もう少しで「落とし所」が見えてくるかもしれません。私が日本の家具に絶望を覚えてから5年。時代は株高に支えられてインテリア業界も進化しているのでしょう。


 

自分が四六時中、家具のことを考えて見えてきたことがあります。

それは、これまで日本で流行った家具は、それぞれの時代で「安かった」ということです。

たとえば、藤の家具。藤はしなやかで丈夫、という相反する特質を持ち、さらに木を切り倒すよりずっと小回りが効く素材です。そして安かった。お手頃価格で生産でき、だからお手頃価格で消費者に提供できた。また夏には涼しげで、和室の縁側などに置くと絵になりましたね。

もう一つが「バリの家具」です。

チークという、堅牢で美しい色の木材がインドネシアで採れ、労働の賃金が安い。さらにインドネシアは地理的に日本に近い。というわけで、輸送費もさほどかからず、日本に入れることができました。

アンティーク家具もそうです。

西欧のアンティークは、実際きちんと手入れしてあれば、経年して出てくる味も手伝って、日本で見る限りにおいて、とても良いです。

某アンティーク家具屋さんでは、店舗いっぱいに家具を重ねて置いていて、そんな雑な(失礼)展示でも、目がハートになるほど魅力的でした。

しかし、本当の「アンティーク」の定義は、製造から100年以上たったものです。日本の「アンティークショップ」に置かれている家具で、戦前に生産されたような商品は、ほとんどありません。いわば「中古品」「ヴィンテージ品」です。

中古がダメとは私も思っていません。価値がないとも思っていません。家具は時を経て成熟しますし、無駄なツヤがなくなり、こなれ感が出ます。今私がパソコンを叩いている机も、北欧家具の「中古品」で、もう使い始めて15年になりますが、とても気に入っています。気に入ってはいますが、家具というのは「耐久消費財」であり、おそらく新品の時のような引き出しのなめらかさ、躯体そのものの安定感、堅牢さではないだろうなあと感じています。アンティーク(骨董)家具、といってわざわざ珍重されるのは、逆説的に言えば、100年も持つ家具がほとんどないからです。その程度には家具は「使って消費する」ものです。それが「耐久消費財」と言われる所以でしょう。

中古家具はつまり「安い」。それなりに上質に作られた家具が、新品では到底日本人には手が出なかったため、やっと中古を買えたというだけです。

冒頭に書いたように、日本の家具も、今新しく生産されている家具の中には、インテリア性の高い、上質なものも出てきました。しかし、それらも「結構値が張る」ものです。ダイニングのサイドチェア、布張りなしで10万円。アームがあったら15万円。アップホルスタリーなら20〜30万円。けれどその価格帯は欧米の「まあまあ上質な家具」でも同じで、アンティークの家具屋さんが日本で一定の支持を得るのは、あちらの「その価格帯の中古品」を日本に入れているからです。中古だから、なんとか日本の消費者の手に届く価格帯になった。

しかし、今、日本には新車の輸入車はたくさん走っています。ディーラーもたくさんあります。日本人が輸入の新車を買える時代になっているということです。もちろん、関税だとか、輸送費だとか、為替だとか、いろんな要素がありますが。。。輸入家具だって、もう新品を買える時代になっています。

同じ価格帯でレクサスもあります。レクサスはその頑健さから世界的にとても評価されており、製品のイメージとしても「知的階級の高級車」的なイメージを醸しているようです。でも、なぜ日本でレクサスではなくベンツやBMWといった「輸入品」を買う人がいるのか。

それは、日本にいながらにして「異文化」を体験できるからです。「ああ、左ハンドルの国から来た車だから、方向指示器が左側にあるのね」とか、ややグリップの太いハンドルとか。硬めのシートとか。内装仕上げの少し大胆な色使いとか。そんなちょっとした違いそのものが目に楽しい。

文化は常に交じりあいますし、常に新しい発見をもたらしてくれます。

輸入家具の楽しみは、そんなところにあるのかなと思っています。

 

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