ベッドについての考察

 ベッドについて、お悩みの方は多いと思います。

 ベッドは、「どうしても試せない」商品です。

 ずらっとマットレスが並んだショールームで寝てみたところで、柔らかいか固いかぐらいしか分からない。一晩寝られない以上、試したといっても名ばかりの、「気休め」でしかないと思います。

 仮に、一晩レンタルできるベッドがあったとしても、1ヶ月たったら「やっぱり、腰が痛い」ということになるかもしれない。さらに、そのベッドが1年でヘタるのか、5年大丈夫なのか、10年OKなのか、体重が軽い人だから15年大丈夫なのか、見当がつかない。

 だから、「信頼できそうな顔をした」初対面の店員が言うことを黙って聞いて、高くても安くてもコレだと信じて買うしかない。ということなのだろうと思います。私もそういう買い方をしてきました。

 ただ、日本で一般市民がベッドで生活をしはじめたのは、この40年間ぐらいの話。それも、プラットホームベッドに布団を敷いたようなベッドを含めての話です。

 20年前、「日常としては、一度もベッドに寝たことがない」という同僚がいて、心底驚いたぐらいですし、エアーベッド(空気で膨らませるベッド)を常用とする発想がある人もいました。つまり、「スプリングの入ったマットレスベッド」という概念が本当に日本に浸透したのは、実はこの20年程度の話ではないかと思うのです。

 その間、さもボンネルよりポケットコイルが上等かのように言ったり(善し悪しは別として、どちらかというと少ない設備投資で製造可能な製法だと思います)、低反発だ、高反発だ、といって、ウレタンや網目状のマットをスポーツ選手に持たせたりしていましたね。

 もちろん、私自身が全部試した訳ではありません。合う・合わないもある。だけれども、では、日本よりずーーーっと長いベッドの歴史を持つアメリカなど欧米では、どんなスタイルが一般的なのか。日本よりずっと長い間、ベッドと格闘してきたのがあちらなので、一応話は聞いておいたほうが良さそうです。

 そして、結論は、

「アメリカ人は、ダブルクッションをなんとかスタイリッシュにするために、日々格闘している」

ということです。アデラインのベッドは、ボトムになるボックススプリングを枠で囲んでいます。ボックススプリングを隠すための「ベッドスカート」というものがありますが、これが「ファッショナブルでない」という思いから、生まれた商品です。つまり、そこまでして、機能的にベストであるダブルクッションをスタイリッシュにしようとしている。明らかに優位性があるということでしょう。

 

 確かに、ダブルクッションでベッドに不満を言っている人に私は未だ日本で会ったことがありません。

 寝心地以外の不都合は多くあります。ベッドの高さが高くなる。収納が作れない。若い人にはあまり意味がない(若い人は腰を痛めないので、違いが分からない)。価格が高くなるので勧めにくい。などなど。

 でも、1日の三分の一を過ごし、腰痛や肩こりや偏頭痛で悩んでいる人は多い。狭い部屋がベッドでいっぱいになったとしても、ダブルクッションを採用しなくてはいけない人は、少なからずいるはずです。睡眠は、昼間のパフォーマンスにダイレクトに影響するのだから。

 さらに真実を言えば、アメリカのベッド研究は「上のマットレスについては、総ウレタンが良いのでは」という話になっているようです。ホテルも、アデラインが扱うことになるメーカーも、マットレスはウレタンです。層によって堅さを変え、表面の膜を外し、通気性をやや高くしたもの。ただ、私の経験では、ポケットコイルが暑くて大変だったので、総ウレタンが良いとまでは言い切れません。アメリカで寝た時は快適でしたが、アメリカはなんといっても全土的に、圧倒的に湿気がない。なので、総ウレタンについては、まだ懐疑的ではあります。

が、たぶん、睡眠に何かしら悩みを抱えている人にとっての第一選択肢として、ダブルクッションは万難排してでも試してみる価値のあるものではないか、と思っています。


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